うさぎを撫でていると、

「カチカチ…」

と小さく歯ぎしりをすることがあります。

初めて聞いた飼い主さんは、

「歯が痛いのかな?」
「病気かもしれない」

と心配になるかもしれません。

しかし、うさぎの歯ぎしりには問題ない場合もあれば、病気のサインである場合もあります。

特に注意したいのが、うさぎに多い歯の病気である不正咬合(ふせいこうごう)です。

不正咬合を放置すると食事ができなくなり、命に関わることもあります。

この記事では、

・うさぎが歯ぎしりをする理由
・危険な歯ぎしりと正常な歯ぎしりの違い
・不正咬合の症状
・病院へ行く目安
・予防方法

について詳しく解説します。

うさぎはなぜ歯ぎしりをするの?

うさぎの歯ぎしりには大きく分けて2種類あります。

リラックスしているときの歯ぎしり

飼い主に撫でられているときや、安心してくつろいでいるとき、

「カチカチ」
「コリコリ」

という小さな音を出すことがあります。

これは猫のゴロゴロに近い行動とも言われています。

気持ちよさや安心感を表しているため、基本的には心配ありません。

特に、

・目を細めている
・体の力が抜けている
・横になっている

ような状態なら問題ないことがほとんどです。

痛みや不調による歯ぎしり

一方で、

「ギリギリ」
「ガリガリ」

と強い音を立てる歯ぎしりは注意が必要です。

これは痛みや不快感を我慢しているサインであることがあります。

うさぎは体調不良を隠す動物です。

犬や猫のように鳴いて訴えることはほとんどありません。

そのため、

・お腹が痛い
・歯が痛い
・ケガをしている
・病気で苦しい

といった場合に歯ぎしりをすることがあります。

特に、

・食欲低下
・元気がない
・動かない

などを伴う場合は早めに病院へ相談しましょう。

うさぎの歯は一生伸び続ける

うさぎの歯は人間と大きく違います。

実は一生伸び続ける歯を持っています。

前歯だけではありません。

奥歯も含めてすべて伸び続けています。

野生では、

・牧草
・草木
・樹皮

など繊維質の多いものを長時間食べることで自然に歯が削れます。

しかし、

・牧草不足
・噛み合わせの異常

などがあると歯が削れず、伸びすぎてしまいます。

これが不正咬合につながります。

不正咬合とは?

不正咬合とは、歯の噛み合わせが正常ではない状態です。

うさぎで非常に多い病気のひとつです。

噛み合わせがズレると歯が均等に削れなくなります。

すると、

・前歯が伸びる
・奥歯が伸びる
・歯が尖る

といった問題が起こります。

不正咬合の原因

遺伝

特に短頭種(いわゆる「鼻ぺちゃ」な顔立ち)では先天的に起こることがあります。

ネザーランドドワーフなどで見られることがあります。

牧草不足

不正咬合予防で最も重要なのが牧草です。

ペレット中心の食生活になると咀嚼回数が減ります。

その結果、歯が十分に削れません。

外傷

転倒や事故などで顎を痛めると噛み合わせが変わることがあります。

加齢

高齢になると歯や顎の状態が変化し、不正咬合を起こすことがあります。

不正咬合になるとどんな症状が出る?

食欲が落ちる

最も多い症状です。

食べたいのに食べられません。

特に牧草を残すようになります。

ペレットをこぼす

口が痛いため上手く食べられなくなります。

よだれが増える

口の周りが濡れている場合は注意が必要です。

あごの毛がガビガビになることもあります。

涙が出る

うさぎの歯の根は目の近くにあります。

歯の異常によって涙管が圧迫されると涙が増えることがあります。

そのため、

「目の病気だと思ったら歯が原因だった」

というケースもあります。

体重が減る

食べる量が減るため体重も減少します。

定期的な体重測定はとても重要です。

強い歯ぎしりをする

痛みや違和感から歯ぎしりが増えることがあります。

病院へ行く目安

次の症状が見られたら受診をおすすめします。

・歯ぎしりが急に増えた
・強い音の歯ぎしりをする
・牧草を食べなくなった
・食欲が落ちた
・よだれが出る
・涙が増えた
・体重が減った
・元気がない

特に食欲低下は要注意です。

うさぎは食べない時間が長く続くと胃腸うっ滞を起こし、命に関わることがあります。

様子見はおすすめできません。

【うさぎのうっ滞】初期症状は?病院へ行く判断基準と予防方法を解説うさぎを飼っていると、一度は耳にする病気があります。 それが「うっ滞」です。 うさぎの飼い主同士で話をしていても、 「...

不正咬合は自宅で治せる?

治せません。

飼い主が歯を切ることは非常に危険です。

歯が割れたり、歯根を傷つけたりする可能性があります。

不正咬合が疑われる場合は、うさぎを診られる動物病院を受診しましょう。

うさぎの歯ぎしりと間違えやすい症状

うさぎは食事中にも歯を動かします。

また眠る前にも口をモグモグさせることがあります。

これらは正常な行動です。

重要なのは、

・音が強いか
・頻繁に行うか
・元気や食欲に変化があるか

を確認することです。

歯ぎしりだけで判断せず、全身の様子を見ることが大切です。

不正咬合を予防する方法

牧草をしっかり食べてもらう

最も重要な予防法です。

食事の中心は牧草にしましょう。

理想は、食事量の大部分を牧草が占める状態です。

長時間噛むことで歯が自然に削れます。

ペレットやおやつを与えすぎない

ペレットは栄養補助として重要ですが、食べやすいため噛む回数が少なくなります。

おやつ中心の食生活は不正咬合のリスクを高めます。

定期的に体重を測る

歯の病気は少しずつ進行します。

体重減少は早期発見のヒントになります。

年に1〜2回は健康診断を受ける

奥歯の異常は飼い主では確認できません。

定期健診で口腔内をチェックしてもらうと安心です。

まとめ

うさぎの歯ぎしりには、

・リラックスしているときの歯ぎしり
・痛みや病気による歯ぎしり

の2種類があります。

特に、

・食欲が落ちた
・よだれが出る
・涙が増えた
・強い歯ぎしりをする

といった症状がある場合は、不正咬合など歯の病気が隠れているかもしれません。

うさぎの歯は一生伸び続けます。

そのため、牧草中心の食生活と定期的な健康チェックがとても大切です。

歯の病気は早く見つかれば治療の選択肢も広がります。

「少し様子がおかしいな」

と思ったら、早めにうさぎを診られる動物病院へ相談してあげてください。