うさぎカミの闘病生活

うさぎとの幸せな日々

新たな病院に行く前。

カミは夜から症状が悪化し、頻繁に意識をなくし倒れた。夜中には5分に一回のペースで意識をなくし倒れた。

意識がなくなりそうになったら体を支え、倒れたらすぐに起こす。この繰り返しをやり続ける。カミも疲れや痛みを通り過ぎて、ただ倒れては立ち、倒れては立ちの繰り返しをする。多分、カミは意識がないまま、その繰り返しをやっているのだろう。

繰り返し倒れるカミを起こした時、次倒れたらそのままにして苦しみから放ってやろうと思った。
そして倒れるのを待つ。

少し前まではバタバタ倒れてたカミがなかなか倒れない。

必死にふらつきながら踏ん張って立っている。

何分もこの状態が続く。俺の頭の中で早く倒れて楽になれ。と何回も何回も願う。

しかしカミは倒れない。

こんな状態が30分近く続いた。そしてカミも踏ん張りの限界がきて、カミが倒れる。

俺はとっさにカミを支え起こしてしまった。起こさずにはいられなかった。

次、倒れたらそのままにして楽にしてやろうと何度も思ったのに。それをする事が出来なかった。

何分も踏ん張っているカミを見ているうちに、カミが生きたい!生きたい!だから倒れない!と言う気持ちがひしひしと伝わってきたからだ。

カミの病気はもう治らない病気だろう。仮に生きる事ができたとしても、今までみたいに元気に飛び回ったりする事はできないだろう。生きれば生きるだけ苦しい生活になるだろう。それを一番分かっているのがカミなのに、カミは生きようとしている。

カミの生きたいと言う強い気持ちはなんだろう?

こいつには一生頭が上がらない。

介護していくうえで一番辛い事は日に日に弱っていくものを見届ける事だと思っていたけど、カミの介護でそれは違うと感じた。

一番辛いのは100パーセント治らないだろう病気に戦おうとして、もがき、苦しみながらも生きていこうとしているものを見守り、応援する事が一番辛いと感じた。

介護する側、介護される側、共に苦しい。

ただ、僅かな希望かもしれないけど、その希望が叶うかもしれないと思い、想像すると苦しい日々も案外悪くないかもしれない。

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明日はきっと少し良くなってる。って思って。