俺家はクリスマスが近づくと、イルミネーションライトを部屋中につける。
いつもなら暗くて落ち着ける部屋が、ピカピカ光るライトに照らされ、たちまち落ち着かない部屋へと変貌する。
おかげで俺の目はパチパチし、テーブルに置いてある白いお皿が七色に見えたりもする。
こんな、目に悪い事は絶対に止めて欲しいと俺は思っているのだが、家族はそれを許さない。
だからこの時期だけは俺の目は色覚になるのだ。
そしてこいつも不満をもらすのだ。
「おい。今年もピカピカしてるぞ。なんなんだこれは?
虫よけの為のピカピカなのか?それとも修行か?
どちらにせよ眠れないのですけど・・・。」
寝不足で機嫌の悪いカミ。
機嫌を直してもらう為に、ちゃんと話さなければ。
「人間界には、部屋をピカピカさせてチキンとケーキを食べて楽しむクリスマスというイベントがあるんだよ。ピカピカして嫌だろうけど、もう少し我慢してくれ」
「ほぅ。クリスマス。ケーキとチキンを食べて楽しむ。
パパイヤはないのか?」
「パパイヤは用意していないけど、ひょっとしたら、サンタクロースという髭もじゃでデブなおじさんがパパイヤを持って来るかもしれないね。窓から入って来ると思うから少し待っていたら」
俺はカミの威圧的な態度が怖くて、思い切り嘘をついてしまった。
カミはサンタクロースを待った。
「ご主人様。サンタクロース来ないよ。デブだからおそいのかな?」
「もう少し待てば、きっと来るよ」
数時間後。
「おい。おい。サンタクロース来ないぞ?
事故でもあったんじゃねえだろうな!」
あともう少し経ったら、サンタクロース が宅急便で届けてくれた事にしよう。
「おい。サンタクロース来ないぞ!
家を間違えてんじゃねえだろうな!」
「おい。サンタクロース来ないぞ!」
「おい。おい。サンタクロース来ないぞ!」