カミは心臓の病気だ。
病院の先生は、この年齢で心臓の病気になるうさぎは希だと言う。
病院に行った時、この心臓病だと平均でどれくらい生きる事がでますか?と聞くと、例が少ないので解りませんと言われた。この回答が一番悲しかった。
先生が正直に言ってくれるのはありがたい。しかし俺はどう心の準備をしたらいいのだろう。明日死ぬかもしれない?5年以上生きるかもしれない?カミが倒れた時、どんな気持ちで介護していいか分からなくなる。
カミは重い病気だ。昨日も座っているカミの頭を撫でてると、いきなり意識がなくなり、頭が力強く上に上がり倒れる。倒れてすぐに立ち上がるのだが意識はもうろうとしている。
この意識がなくなる事が5分に1回起き、30分ぐらい連続で続く。
このまま、死ねればどんだけ楽になれるのだろうと思うのだが、カミは息を荒げまた立ち上がる。こんな頑張りを毎日見せられると、仕事での悩みや、プライベートでの悩みが些細な事に感じる。
また、いい加減に物事に取り組んでいる奴に怒りを感じる。
カミは何故、頑張って生きようとするのだろう?
体が思い通りに動かず、食べると寝る(苦しくてほとんど熟睡できていない)の日々。こんな苦しい日々になんの魅力があるのだろう?
死ぬ事ができないのか?
ご飯が美味しいのか?
毛づくろいが実は楽しいのか?
走りたいのか?
そんな事を毎日考えていた。
だが、カミが死にそうなる姿を何度も何度も見てるうちに、カミが頑張る理由が分かった気がする。(カミと話す事ができないから100パーセントではないが)
カミは生きたい!ではなく、離れたくない!
カミが本当にそう思っているかどうかは話す事ができないから分からないけど、何度もカミが倒れる中で、俺はカミと離れたくない!離れたくない!そう思ったから、カミも同じ気持ちではないだろうか。