うちのうさぎは、何もしていない時間が長い。
寝ているのか、起きているのか分からない。
ただ、そこにいる。

それを見ていると、
なぜか僕のほうが落ち着かなくなる。

「大丈夫かな」
「退屈じゃないかな」
「このままでいいのかな」

うさぎは何も言わない。
でも、困っている様子もない。
ただ、自分のペースで呼吸している。

あるとき気づいた。
うさぎは「今、どう在るか」しか見ていない。
先のことも、評価も、意味も考えていない。

だから動かないときは動かないし、
動きたいときだけ動く。

それだけだ。

僕は考え過ぎだった。
何もしていないと不安になる。
役に立っていないと、
この時間は失敗なんじゃないかと思ってしまう。

だから、
考えなくていいことまで考える。
気にしなくていいことまで気にする。

その結果、
頭は忙しいのに、
人生はあまり前に進まない。

うさぎと過ごす時間が増えて、
ひとつだけ、真似できそうなことが見えてきた。

「今、問題が起きていないなら、
無理に問題を作らなくていい」

うさぎは、
何も起きていない時間を、
そのまま通り過ぎている。

それを無駄だとも、
失敗だとも考えない。

それだけで、
生き方はずいぶん軽くなる気がした。

今日もうさぎは、
何もしていない。

でも、その姿を見ていると、
僕も少しだけ、
考えすぎるのをやめていい気がしてくる。

気にしないというより、
気にしなくていいことを選び直す。

それだけで、
人生は少し楽になる。