人は、「弱く見られること」を怖がりすぎる。

仕事でミスをしたとき。
うまくいかない日が続いたとき。
本当はもう限界なのに、それを見せないようにする。

「大丈夫です」
「やれます」
「まだいけます」

そうやって、無理にでも立っていようとする。

弱いと思われたくないから。
できない人だと思われたくないから。

でも、その頑張り方は、長くは続かない。

本当はもう動けないのに、無理やり動く。
休んでいると、不安になる。
止まることが、「負け」みたいに感じてしまう。

だから、気づいたときには、完全に動けなくなっている。

──うさぎを見ていると、少し違う考え方が見えてくる。

うさぎは、この世界では弱い生き物だと言われている。

すぐに隠れるし、危険を感じたら動かなくなる。
逃げられるなら、迷わず逃げる。

無理に戦おうとはしない。

その姿は、どう見ても「弱い」。

でも、うさぎはそれを気にしていない。

強く見せようともしないし、
無理に踏ん張ろうともしない。

弱いなら、弱いままでいる。

ただそれだけだ。

でも、不思議なことに、どうしても逃げられないときや、強いストレスを感じたときには、急に前に出て攻撃してくることがある。後ろ足で地面を蹴り、前足で相手の顔を打つ。

普段は弱くて、臆病で、すぐに逃げるのに、必要なときだけちゃんと反応する。

これは、かなり合理的な生き方だと思う。

ずっと強くいようとしないから、無駄に消耗しない。
弱さを隠さないから、エネルギーを温存できる。

だから、「ここだ」という場面で動ける。

人は、その逆をやってしまう。

弱く見られたくないから、ずっと強くいようとする。
できる人でいようとして、無理を重ねる。

その結果、本当に大事な場面で、もう力が残っていない。

だったら、うさぎみたいに生きてもいい。

弱く見られてもいい。
できないと思われてもいい。

無理に強がらなくていい。

その代わり、一つだけ決める。

「ここは動くべきだ」と思ったときだけ、ちゃんと動く。

それでいい。

なにもできない日があってもいい。
止まる日があってもいい。

でも、少し落ち着いたら。
ほんの少しだけ、前に出る。

全力じゃなくていい。
一歩でいい。

弱いままでいいから、必要なときだけ動く。

うさぎは、弱く見られることを気にしない。
だから、無理をしない。
だから、いざというときに動ける。

人は、弱く見られないようにすることに、力を使いすぎる。

でも本当は、そこに力を使う必要はないのかもしれない。

弱く見られてもいい。

その分、ちゃんと動くべきときに動ければ、それでいい。

ずっと強く見せ続けることよりも、
必要な場面で動けることのほうが、ずっと大事だから。