2600年。マ~ル星は食糧がなくなり民衆はみな飢えていた。
そこでマ~ル星の防衛隊長サンマが「僕がこの飢えを救います!必ずやみなに食糧を渡します」とマ~ル星の全民衆の前で誓った。
するとマ~ル星全民衆が感動し盛大なサンマコールが起こった。
「サンマ!サンマ!サンマ!」
サンマは感動し、涙を流しながら民衆に大きく手を振った。
民衆の前で誓った後、サンマはすぐにUFOに乗り食糧のありそうな惑星を探した。
「あそこに青く輝くきれいな星があるな~。あそこに行ってみよう!」
青く輝く星。それは地球だった。
サンマは地球にたどり着き上空から地上を見渡すと溢れるばかりの食糧がある事に驚いた。「これでマ~ル星の飢えを救える。待ってろよ~いますぐ大量の食糧持って帰ってやるから!」
と言って地上に降り、水や魚、肉などを大量にUFOに詰め込んでいた。
その頃、地球上では大変なニュースが世界中に飛びかっていた。
「ニュースをお伝えします。現在日本に高さ200メートルもある怪獣が大暴れしている模様です。みなさんすぐに避難して下さい」
俺とカミはちょうど街を散歩していたのだが、突然目の前に頭に角が生えた大きな怪獣が現れた。
『ご主人様、あれはなんですか?』
俺は大量の汗を流しながら
「あれは怪獣だ!逃げるぞカミ!」
『怖いよ~ご主人様!』
街がパニック状態になっている中、俺はカミを抱きかかえ必死になって走った。
俺は怪獣に殺されるかもしれない。せめてカミだけは生かしてあげなければ!と思い自然と山を目がけて走り続けていた。
走っている最中にカミが
『あれは何?』
と言ってきたが俺は無視して走り続けた。
『ご主人様!ご主人様!あれ、あれ』
カミが指差している方向に目を向けるとウルトラマンが怪獣の前に立ち塞がっていた。
「カミ!助かるかもしれないぞ!正義の味方ウルトラマンがやってきたぞ!」
『ウルトラマンって誰?』
「俺もどこのどちらさんかはよく知らないけど、みんなを守ってくれる正義の味方なんだ!」
と答えた直後、ウルトラマンは勇敢に怪獣に飛び掛かってチョップした。
『ご主人!ウルトラマンがいきなり怪獣にチョップしたよ』
「お~う!あれはウルトラマンチョップって相手に大きなダメージを与える技だ」
カミは固まった表情を浮かべながら
『お話もしないで、いきなり背後からチョップしていいの?あいつ悪い奴だね』
「違う!俺達の為に戦ってくれてんだ!」
とカミに言い聞かせながらも、いきなり背後から殴り付けるのはどうかなーとカミに同調。
するとまたカミが
『ご主人様!ウっ、ウルトラマンが手を十字にして、そこから光線だして、それが怪獣に当たって、怪獣が死んじゃったよ。ひどいよ~。』
「違う!カミ!地球を守ってくれてんだ!感謝しよう」
『え、なんで?お話もせず、いきなり背後からチョップして光線だして殺した犯罪者になんで感謝しなければいけないの?そんなのひどいよ。』
俺は言い返す言葉が見つからなかった。ただ、カミがお話、お話と言っていたけどウルトラマンと怪獣は話せるのかなぁとそんな事を考えていた。
『ご主人様、僕、納得できない!ウルトラマンに文句言ってきてやる!』
「行くな!行っても無駄だ!」
『お話してみないと分からないじゃないですか!』
と言ってカミは俺の手を振り切ってウルトラマンに向かって走り去って行った。
数秒後。
『ご主人様!ウルトラマン飛んでってしまいましたよ。あいつどこまで卑怯な奴なんだ』
「言っただろう。無駄だって。ウルトラマンはな~3分しかいられないんだよ」
『カップラーメンか!?僕許しませんよウルトラマン。相手がどんなにひどい事をしたとしても暴力を暴力で返してはいけない。たとえ暴力に勝ったとしても何も進展はしない。大事な事は相手の立場になって考えてあげる事。暴力であれ、言葉の暴力であれ相手の事を考えない戦いはどんな事でも憎しみと悲しみしか生まれない。』
と言ってカミは去って行った。
それ以来、俺は大好きだった正義の味方ウルトラマンを嫌いになった。