うさぎのうっ滞というお腹の病気をご存知ですか。
うさぎを飼ったら、必ず頭に入れておかなければいけない病気の一つです。
うさぎには年4回の換毛期があり、その時期にお腹を壊しやすいのです。
最悪の場合、死に至る危険もありますので、これから詳しくご説明しますね。
うっ滞とは寿命を縮める危険な病気
うさぎは「うっ滞」というお腹の病気になりやすく、言ってみればメジャーな病気です。
といっても、実は「うっ滞」で死んでしまううさぎが最も多いと言われています。
つまり「たかがうっ滞、されどうっ滞」なわけです。
しかも、うさぎがお腹を痛そうにしていたら、数時間後に死んでしまうこともあるほど急を要する状態なのです。
怖がらせてごめんなさい。
でも、本当にうっ滞には注意が必要なんです。
病院に連れて行くのも良いですが、急を要するので、まずは自宅で第一段階の治療をする必要があります。
うまくいけば、それで治ることも多いので、ぜひ覚えておいてくださいね。
うっ滞の原因
うさぎのうっ滞の原因は、大きく分けて2つあります。
どのうさぎにも起こり得ることなので、頭に入れておいてくださいね。
うっ滞の一番の原因は換毛期の毛球症
うさぎのうっ滞の原因は、換毛期による抜け毛を飲み込むことです。
うさぎは暇さえあれば毛づくろい(グルーミング)をしています。
自分の体をなめて、きれいにしているのです。
でもこのグルーミングが、毛球症を引き起こしてしまうのです。
毛球症は基本的に長毛種と呼ばれる「ホーランドロップ」などに多いのですが、短毛種の「ネザーランドドワーフ」にも起こります。
そのため、換毛期にはブラッシングをして、うさぎがなるべく毛を飲み込まないように注意してあげる必要があります。
うっ滞の原因はストレスも大きい
またうっ滞になる原因は、温度変化や環境によってストレスを溜めることでも引き起こします。
うさぎは非常にストレスに弱い動物ですから、なるべくストレスを与えないように育てる必要があります。
とくに急激な温度変化や環境の変化に弱く、音や明るさにも敏感です。
人間では当り前のことが、うさぎには大きなストレスになることもありますので、うさぎが過ごしやすい環境を整えてあげる必要があります。
うっ滞の見分け方と予防方法
うさぎのうっ滞の見分け方がわかれば、予防方法や治療法もわかってきます。
ぜひ愛するうさぎさんのために、覚えておいてくださいね。
うっ滞の見分け方
うさぎのうっ滞は、毎日観察していれば早めに気づいてあげることができます。
明らかにお腹が痛いときには、「うずくまって動かない」か「立ったり座ったりを頻繁に繰り返す」ことです。
そのような比較的わかりやすい行動をしてくれれば良いのですが、うさぎは体調が悪いことを隠す習性があります。
他にうっ滞を見分ける方法は、次のようなものです。
- うさぎの糞が小さい
- うさぎがエサを食べない
- うさぎの糞に毛が混ざっている
- うさぎの糞の量が少ない
毎日糞の掃除をしていればわかると思いますが、糞の量はしっかり毎日チェックしておきましょう。
大体で良いので、「いつもより少ないな」と気づけるくらいにしておくことです。
そして糞の状態も良く見てみましょう。
糞が大きいと良い状態ですが、うっ滞の時には糞が小さくなります。
また寒いときにも糞の量が少なかったり、小さかったりします。
エサを食べないのは、うっ滞とは限りませんが、明らかに体調が悪い証拠です。
また糞に毛が絡まっているときには、うっ滞の一歩手前だと認識しておきましょう。
うっ滞の予防方法
うさぎのうっ滞の症状がわかったところで、今度はうっ滞の予防方法をご紹介します。
できればうっ滞を食い止めたいですよね。
日頃からの予防方法としては、換毛期にはブラッシングをしっかりやってあげることです。
皮膚を傷つけないように、優しくマッサージするような感覚でブラッシングしましょう。
でもあまりにも優しすぎると、肝心の毛があまり取れませんので、適度な力加減を熟知しておく必要があります。
そして糞に毛がかなり多く絡まっている時があります。
糞と糞が連なっていることが多いのですが、そのつながっている毛がかなり太い時もあります。
とにかく糞に毛が混ざっていたら、すぐにブラッシングをしたり、次にご紹介する治療法を実践してみてください。
うっ滞が数時間で治る治療法
うさぎがうっ滞になったら、時間との勝負です。
半日放置したら、死んでしまうこともあります。
ですから「少し変かな?」「何となくいつもと違うような気がする」という程度でも、しっかりと対処することが必要です。
飼い主さんが、「何となく変」と思うときは、たいてい当たっています。
うっ滞が治る「お腹のマッサージ」
うさぎがお腹を痛がっている時や、うっ滞の症状が現れた時には、お腹を優しくマッサージしてあげると良いでしょう。
もしうさぎが嫌がるなら、「痛い」か「純粋に嫌」かのどちらかです。
その場合には無理やりマッサージすると、ストレスが溜まりますので、違う方法を試してみましょう。
お腹をマッサージするときは、手を温かくして、優しく揉みほぐします。
決して強く押さないように注意してください。
もしどうしてもお腹をマッサージできないのなら、背中やお尻、頭でもOKです。
とにかくうさぎを撫でてあげるだけでも、血行が促進されますので効果的です。
うさぎ食欲増進剤「ペリアクチン」を与える
うさぎがうっ滞になった時は、ペレットを控えめにした方が良いでしょう。
でもチモシーは食べた方が糞が出やすくなりますので、食欲を増すために「ペリアクチン」という薬をあげるのも効果がある場合があります。
これはもともと抗アレルギー薬ですから、獣医から適量の指示を仰ぎましょう。
うちの場合は、一度に0.5ml以上はあげません。
獣医と相談して、処方してもらいましょう。
うっ滞を治すには「水分」を与える
うさぎのうっ滞を治すには、0.5ml程度の水かぬるま湯を1時間おきくらいに与えましょう。
それにペリアクチンを混ぜると、良く飲んでくれる可能性が高いです。
強制的に与える場合には、獣医がくれる注射器の容器で与えると良いですよ。
お腹を温める
うっ滞になっている時は、ほとんど寒い時です。
ですから、うさぎを太ももの上に乗せてお腹を温めてあげましょう。
人間の体温を感じるだけでも、うさぎのお腹は温まります。
うさぎに与える適量の野菜も重要
うっ滞を防ぐには、日頃から野菜を与えるのも効果的です。
とくにおすすめなのが、繊維質が多い「セロリ」です。
でも繊維質が胃にからまってしまうこともあるため、繊維質は切って、小さくしてあげると良いですよ。水分も含まれているので、糞が出やすくなります。
ただし野菜をあげすぎると、下痢になる恐れがあります。
適量を守りましょう。
キャベツ、セロリ、水菜などは、水分が多いので下痢をしやすいです。
出ないよりは下痢の方が良いのですが、下痢も良くない傾向です。
同じように、お腹を温めたりしてあげると良いでしょう。
またブロッコリーも好きですが、カルシウムが多いのであげ過ぎないように注意が必要です。
尿がドロドロしてきたら、カルシウムの摂り過ぎの場合が多いです。
うさぎのうっ滞は糞が出て治るまで観察して
うさぎのうっ滞の治療法をご紹介しました。
これらの対処をすると、おそらく2時間後くらいには糞が出るはずです。
それでもダメなら早急に病院に連れて行った方が良いでしょう。
でもこの方法で、幾度となくうちのうさぎは助かりました。
とはいえ必ず治るということでもないので、心配な人は病院に行った方が良いでしょう。
うさぎといつまでも元気に仲良く暮らせるために、うっ滞予防と治療法は把握しておきましょう。