最近、カミを見ていて思うことがある。
うさぎは跳ねているときが一番かわいい。
これは間違いない。
ピョン。
ピョン。
ピョン。
丸い。
小さい。
かわいい。
まるで毛玉に命が宿ったみたいだ。
しかし。
実はうさぎには、あまり知られていない姿がある。
それが、
歩くうさぎである。
僕は何度か見たことがある。
本当に数回だけだ。
かなりレアだ。
たぶん野生のツチノコより珍しい。
そのときのカミがこちら。
かわいい。(動画ではないので、単なるうさぎの写真です。すみません)
見た目はいつものカミだ。
問題はここからである。
歩き始めるのである。
すると不思議なことが起きる。
さっきまで可愛かったうさぎが、急におじさんになる。
なぜなのか。
本当に分からない。
犬が歩いても犬である。
猫が歩いても猫である。
しかし、うさぎだけは違う。
歩いた瞬間、なぜか急に貫禄が出る。
さっきまで可愛かったのに、急に近所を見回りしている自治会長みたいになるのだ。
あんなに可愛かったのに。
どうしてだ。
おそらく原因はフォルムだ。
うさぎは跳ねるために作られた生き物である。
丸い。
短い。
低い。
だから跳ねている姿は完成されている。
ところが歩くと、その完成されたフォルムが急に現実味を帯びる。
結果、
おじさんになる。
説明になっていないが本当にそうなのだ。
見た人なら分かると思う。
そして僕はもう一つ気になることがある。
それは、
「うさぎ跳び」
である。
学校でやらされたあの運動。
名前はうさぎ跳び。
しかし考えてみてほしい。
あれ、
全然うさぎじゃない。
むしろカンガルーである。
うさぎは前足と後ろ足を使う。
でもうさぎ跳びは、人間が両足だけで飛んでいる。
どう考えてもカンガルー寄りだ。
もしオーストラリアの学校に
「カンガルー跳び」
があるなら謝りたい。
たぶん向こうから見れば、
「それ、うちの担当です」
と思っているはずだ。
そんなことを考えていると、カミがまた歩いた。
のそのそ。
のそのそ。
やっぱりおじさんである。
そして数歩歩いたあと、突然ピョンと跳ねた。
その瞬間、
おじさんは消えた。
かわいいうさぎに戻った。
どうやらカミは、
歩くとおじさん。
跳ねるとうさぎ。
そんな特殊能力を持っているらしい。
だから僕は今日も思う。
できれば、ずっとうさぎでいてほしい。
でもたまに現れる、あのおじさんも少しだけ好きなのである。