うさぎの白目を見たことはありますか?
私はあります。
しかも病気でもなく、驚いたわけでもなく、怒ったわけでもありません。
原因はラクトバイトでした。
カミには大好物があります。
乳酸菌ラクトバイトです。
カミはこの名前を知りませんが、引き出しを開ける音だけで分かるらしい。
ガサッ。
その瞬間。
部屋のどこにいても飛んでくる。
さっきまで寝ていたのに。
さっきまで動かなかったのに。
うさぎとは思えない加速力で飛んでくる。
そして問題はここからです。
ラクトバイトを渡すと、普通に食べればいいのに普通に食べない。
チューブの先についたラクトバイトを、
前から。
横から。
下から。
あらゆる角度から舐め始める。
まるで最後の一滴まで回収しようとする職人である。
その時だった。
私は異変に気づいた。
白目である。
最初に見た時は、正直少し焦った。
「え、大丈夫?」
と思った。
だって白目がすごいから。
しかしよく観察すると、どうやら体勢が原因らしい。
正面から舐めている時は普通の顔をしている。
ところが、チューブの奥側を舐めようとすると首が傾く。
手前を舐めようとしても傾く。
すると急に白目が現れる。
しかも本人はまったく気にしていない。
飼い主だけが心配している。
カミの頭の中は、たぶんこんな感じだ。
「右側にまだ残ってる」
ペロペロ。
「いや奥にもある」
ペロペロ。
「待てよ下にもある」
ペロペロ。
白目。
飼い主
「いや白目!」
カミ
「今それどころじゃない。」
また、さらにかわいいのが舌だ。
うさぎの舌を見る機会は意外と少ない。
普段は水を飲む時くらい。
でもラクトバイトの時だけは違う。
小さな舌が一生懸命動く。
しかも本人は真剣。
必死。
全力。
人間で言えば、ケーキの最後のクリームをスプーンで集めている状態かもしれない。
あるいはカップラーメンの最後の一滴を飲んでいる状態かもしれない。
だから私は思う。
ラクトバイトを食べている時のカミは、人生で一番集中している。
部屋で名前を呼んでも反応しない時がある。
でもラクトバイトの引き出しを開ける音には反応する。
その集中力を別のところにも使えないものだろうか。
まあ・・・無理だろう。
うさぎだから。
カミだから。
今日もカミは白目を出しながら、最後の一滴まで回収している。
飼い主だけが心配しているけれど、本人は世界で一番幸せそうな顔をしている。
たぶん、これでいいのだ。