最近、カミを見ていて不思議に思うことがある。
朝になると、必ず光のある場所へ向かうのだ。
部屋の隅にいても、
お気に入りの場所でくつろいでいても、
太陽の光が差し込むと、のそのそと移動を始める。
そして光の中で立ち止まる。
少しずつ。
本当に少しずつ。
まるで何かに導かれているみたいに。
最初は、
「暖かい場所が好きなんだな」
くらいにしか思っていなかった。
でも見ていると面白い。
一気に移動しないのである。
少し前へ。
また少し前へ。
そしてまた少し前へ。
その姿を見ていたら、
人間も同じなのかもしれないと思った。
人生には、どうにも元気が出ない日がある。
何をやってもうまくいかない日。
やる気が出ない日。
先が見えない日。
頑張ろうと思っても動けない日。
そんな日は誰にでもある。
僕にもある。
そういう時、
人はよく考える。
どうしたら人生が変わるんだろう。
どうしたら成功できるんだろう。
どうしたら幸せになれるんだろう。
でも実際には、そんな大きな答えはなかなか見つからない。
「これをすれば人生が変わる」
「この道が正解だ」
そんな確信を持てることは、そう多くない。
だから人は立ち止まってしまう。
何が正しいか分からないから。
失敗したくないから。
間違った方向へ進みたくないから。
でも、カミを見ていると少し思う。
本当に必要なのは、正解を見つけることではなく、光のある方へ少しだけ動くことなのかもしれない。
朝、カーテンを開ける。
散歩してみる。
好きな音楽を聴く。
本を数ページだけ読む。
誰かに連絡してみる。
ほんの少しでいい。
いきなり人生を変えようとすると苦しい。
でも、
少しだけ明るい方向へ動くことならできる。
カミを見ていると、そんな気がする。
うさぎは穴の中で暮らす動物だ。
本来なら暗い場所が落ち着く。
それなのに日向ぼっこは大好きである。
窓から差し込む光を見つけると、気持ちよさそうに体を伸ばす。
目を細める。
そして動かなくなる。
きっと暖かいからだろう。
それだけの理由かもしれない。
でも僕は思う。
生き物は本能的に知っているのではないかと。
光には力があることを。
暗い部屋にずっといると気持ちまで沈む。
逆に太陽の光を浴びると、少しだけ気分が軽くなる。
たったそれだけのことで、今日を乗り切れることもある。
だから最近、落ち込んだ時はカミを思い出す。
光の方へ向かって、少しずつ歩いていく姿を。
未来のことなんて分からない。
一年後にどうなっているかも分からない。
悩みが解決する保証もない。
でも、
光のある方へ少しだけ動くことはできる。
カミは今日も窓際にいる。
太陽の光を浴びながら、気持ち良さそうに目を閉じている。
きっと難しいことは何も考えていない。
ただ、
暖かい場所を選んでいるだけだ。
でも、その姿を見るたびに思う。
人生が苦しい時ほど、無理に走らなくてもいい。
大きく変わろうとしなくてもいい。
まずは光のある方へ。
少しずつ。
本当に少しずつ。
それだけで十分なのかもしれない。
カミが今日もそうしているように。