先日、部屋を見た瞬間。
私は思わず二度見した。
そこにいたのは、うさぎではなかった。
どう見てもツチノコだった。
いや、本当に。
日本には昔からツチノコという未確認生物の伝説がある。
胴体が太くて、ずんぐりしていて、どこかやる気がなく、目撃情報だけはやたら多い。
そして、その特徴を思い浮かべながら目の前を見る。
いた。
完全にいた。
どう見てもツチノコである。
耳を隠したらまず間違いなくツチノコだ。
もしこの写真を山の中で撮影したと言われたら、「ついに発見されたか」とニュースになるレベルである。
しかしよく見ると違和感がある。
耳が長い。
顔が妙にかわいい。
そして何より見覚えがある。
そう。
うちのカミだった。
私は長年うさぎと暮らしている。
しかし不思議なことに、うさぎは定期的にうさぎをやめる。
丸くなったり。
伸びたり。
液体みたいになったり。
そして時々ツチノコになる。
もはや、「うさぎとは何か」という哲学的な問題になってくる。
人間は成長しても人間だ。
猫はどんな寝方をしても猫だ。
犬も犬である。
しかし、うさぎだけは違う。
気を抜くと別の生き物になる。
これは本当に不思議だ。
しかも本人はまったく気にしていない。
こちらが「ツチノコだ!」と騒いでいても、当の本人は「だから何ですか?」という顔をしている。
私は思う。
もし昔の人が山の中で昼寝中のうさぎを見つけていたとしたなら・・・・
ツチノコ伝説はそこから始まったのではないか!!!
遠くから見たら丸い。
動かない。
近づくと急に逃げる。
捕まえられない。
特徴までそっくりである。
そして何より、この写真を見ていると、なんだか少し安心する。
人間は毎日忙しい。
効率。
成果。
締め切り。
やることばかり増えていく。
でもカミは違う。
ツチノコみたいな形になりながら、ただのんびりしている。
それでいて、なぜか幸せそうだ。
もしかすると、本当に幸せな生き物というのは、うさぎらしく生きることではなく、たまにツチノコになれる生き物なのかもしれない。
少なくともカミは、私よりずっと上手に人生を楽しんでいる気がする。