うさぎを飼っていると、家具やコードを齧ったり、入ってほしくない場所に入り込んだりして、「やめてほしい」と感じることがあります。

そんなとき、「うさぎにもしつけは必要なのかな」「イタズラはどうやってやめさせればいいのだろう」と悩む人は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、うさぎとの暮らしにしつけは必要です。

ただし、それは人間の思い通りに従わせることではありません。うさぎの自然な行動を理解しながら、危険を防ぎ、お互いが無理なく暮らせる環境を整えていくことが大切です。

この記事では、うさぎにしつけが必要な理由、イタズラが起こる原因、やめさせるための工夫、そして実際に暮らす中で感じたことまで、順番に分かりやすく紹介します。

うさぎにしつけは必要?

うさぎとの暮らしに、しつけは必要です。

ただ、しつけといっても、「飼い主の言うことを聞かせて、嫌な行動をやめさせる」ことだけを指すわけではありません。うさぎの気持ちや習性を理解したうえで、人間と一緒に心地よく暮らせるように整えていくこと、それがしつけの本来の意味だと考えています。

しつけは、飼い主が嫌な行動をやめさせることではない

うさぎには、齧る、掘る、探すといった自然な行動があります。そのため、飼い主にとって困る行動でも、うさぎ自身は「悪いことをしている」と思っていない場合があります。

「コードを齧らないで」「家具を齧らないで」と伝えたとしても、人間と同じように理由を理解して、すぐに行動を変えられるとは限りません。何度言ってもやめないからといって、すぐに「この子は言うことを聞かない」と考える必要はありません。

まず大切なのは、その行動がうさぎにとってどんな意味を持っているのかを考えることです。困る行動だけを見て判断するのではなく、うさぎの本来の性質から見ていくことが、しつけを考える第一歩になります。

一緒に暮らすために、安全や生活のルールは必要

一方で、「うさぎの好きなようにさせればいい」というわけでもありません。電気コードを齧れば危険ですし、食べてはいけないものを口にすることもあります。だからこそ、飼い主が環境を整えたり、危険な場所に入れないようにしたりすることも必要です。

うさぎに合わせることは、何をされても我慢することではありません。危険なことや困ることは人間があらかじめ防ぎながら、そのうえで無理のない形を考えていくことが大切です。

大切なのは、うさぎを無理やり人間のルールに合わせることではなく、うさぎと人間の両方が安全に暮らせる方法を考えることなのだと思います。

うさぎのイタズラは、どうして起こる?

うさぎのイタズラを減らしたいなら、まず「なぜその行動をするのか」を考えてみましょう。理由が見えてくると、ただ止めようとするのではなく、うさぎに合った対策を考えやすくなります。

齧る・掘る・探すなど、うさぎ本来の行動だから

うさぎには、齧る、掘る、隠れる、走る、探すといった自然な行動があります。特に齧ることは、歯の健康や探索と関係する、うさぎにとって自然な行動のひとつです。掘ることも同じです。

飼い主から見ると、カーペットを掘ったり家具を齧ったりするのは「イタズラ」に見えるかもしれません。ですが、うさぎからすれば、遊んだり探索したりしているだけなのかもしれません。

「どうしてこんなことをするの?」と考える前に、「これはうさぎにとって自然な行動なのかもしれない」と考えるだけでも、見え方は変わります。その視点を持つことが、対応を考えるうえでとても大切です。

運動不足や刺激不足で、エネルギーの発散先を探しているから

うさぎは、体を動かしたり何かを探したりする時間が足りないと、好ましくない行動をすることがあります。遊ぶ、動く、探す、齧る、掘るといった行動を十分にできない環境では、そのエネルギーの向かう先が、家具やケージなど身近なものになってしまうこともあります。

もちろん、すべてのイタズラが運動不足や刺激不足によるものとは限りません。それでも、「やめさせる」ことだけに意識を向けるのではなく、「この子は何をしたくて、この行動をしているのだろう」と考えることが大切です。

うさぎのイタズラを減らすには、どうすればいい?

イタズラを減らしたいときは、うさぎを変えようとするだけでなく、まず人間側が環境を変えてみることが大切です。

うさぎに我慢を求め続けるより、問題が起こりにくい環境を作ったほうが、結果的にお互いに暮らしやすくなります。

齧られたくないものを齧れない環境にする

齧られたら困るものは、できるだけうさぎが齧れないようにしておきます。

特に電気コードなど、齧ることで危険につながるものは、「言えばやめるはず」と考えて任せるのではなく、最初から近づけない工夫が必要です。

家具なども、必要に応じてカバーをつけたり、近づけないようにしたりできます。

これは「うさぎを甘やかしている」のではありません。危険なことや困ることを放置せず、人間が先に対策することも、しつけのひとつです。

うさぎに我慢させ続けるより、人間が環境を整えて事故を防ぐほうが、お互いに安心して暮らせます。

齧る・掘るなどの欲求を、安全な方法で満たせるようにする

齧ることや掘ること自体を悪いことにするのではなく、安全にできる場所や物を用意する方法もあります。

たとえば、齧っても安全なものを用意したり、掘れる場所を作ったりすることで、うさぎのしたい行動を別の場所へ向けやすくなります。

「それはダメ」だけではなく、「こっちならいいよ」と選択肢を作ってあげるわけです。

うさぎの自然な行動をなくすのではなく、生活の中で安全にできるようにする。それが、無理のない形でイタズラを減らしていくための大切な工夫です。

イタズラをしてしまったうさぎには、どう対応する?

環境を整えていても、目の前で「やめてほしい」と思うことを始めるときはあります。そんなときこそ、感情のまま叱る前に、一度落ち着いて対応してみましょう。

まず危険なものから離し、落ち着いて対応する

危険なものを齧っているなら、まずはうさぎをそこから離します。大きな声で怒ることよりも、危険を取り除くことのほうが先です。

焦って強く叱ると、うさぎが驚いたり怖がったりして、かえって関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。

まずは落ち着いて危険を取り除き、そのうえで次に同じことが起きにくいよう環境を見直すことが大切です。

うさぎに何度も「ダメ」と言い続けるより、そもそも齧れない状態にしていくほうが、結果的にはずっと効果的です。

齧ってほしくない物から離し、齧っていい物へ誘導する

たとえば家具を齧っているなら、家具から離して、齧っていい物を近くに置いてみる。掘ってほしくない場所を掘っているなら、安全に掘れる場所を用意する。

このように、してほしくない行動をただ止めるのではなく、別の行動へ切り替えられるようにします。

うさぎの行動をすべて人間の都合でなくすのではなく、「それは困るけれど、こっちならいいよ」と伝える。そのほうが、うさぎにとっても飼い主にとっても、無理のない関わり方だと思います。

カミとの暮らしで、しつけについて考え方が変わった

カミと暮らすまで、僕は「うさぎも、教えれば分かってくれる」と思っていました。でも、実際に一緒に暮らしてみると、そう単純にはいかないことばかりでした。

以前、犬を飼っていた経験があったこともあり、うさぎも同じように、強く叱れば「これはやってはいけないことなんだ」と分かってくれるのではないかと思っていたのです。そのため、カミにしてほしくないことがあると、大きな声を出したり、強い口調で叱ったりしていた時期もありました。

でも、思うようにはいきませんでした。同じことを繰り返すカミを見て、「もっと強く言わなければ分からないのかな」と考えたこともあります。

その一方で、叱られたときのカミの様子を見ていると、少しずつ気持ちが変わっていきました。申し訳なさそうな顔をしているように見えたり、こちらを警戒しているように感じたりすることがあったからです。

その姿を見て、「自分が伝えたいことは、本当にこういうやり方で伝わっているのだろうか」と考えるようになりました。人とうさぎは、同じようには考えません。言葉もそのまま通じるわけではありませんし、もともとの習性も違います。そう考えると、人間の感覚で叱れば簡単に分かってもらえると思っていたこと自体が、少し違っていたのかもしれないと思うようになったのです。

それからは、接し方を変えてみました。強く叱るのではなく、「これは齧られたら困るよ」「齧りたいのは分かるけど、これはやめようね」と、できるだけ落ち着いて伝えるようにしたのです。

すると、少しずつカミがこちらの言葉に反応してくれるようになりました。もちろん、何でも言うことを聞くわけではありません。それでも不思議なことに、強く叱っていたときよりも、こちらの気持ちが伝わっているように感じる場面が増えていきました。

それだけではありません。カミのことを考えながら接するようになると、以前よりも距離が近くなったようにも感じました。何度もやり取りを重ねるうちに、「この人は自分を怖がらせる人ではない」と、少しずつ分かってくれたのかもしれません。僕には、それがカミとの絆が深まっていく過程のように思えました。

もちろん、今でもカミが言うことを聞かないことはあります。何度伝えてもやめないこともあります。それでも、今はそれを「失敗」だとは思っていません。

うさぎには、言葉だけでは理解しにくいこともあるでしょうし、分かっていても本能的にやめられないこともあるのかもしれません。だからこそ、すべてを完璧に言うことを聞かせようとは思わなくなりました。

こちらが少し譲ることもある。危険なことなら、人間が環境を変える。それでも伝えたいことがあれば、強く叱るのではなく、やさしく言い聞かせる。そうやって、少しずつお互いに折り合いをつけています。

うさぎとの暮らしは、いつも思い通りになるわけではありません。分かってもらえないと感じて、悲しくなることもあります。それでも、少し分かり合えたと感じる瞬間があります。昨日できなかったことが、今日はできるようになることもある。

そんなやり取りを繰り返しながら、一緒に暮らしていく。僕にとっては、そこにうさぎと暮らす面白さがあります。そして、完璧ではないからこそ、毎日の生活が楽しいのだとも感じています。

まとめ|うさぎのしつけは、従わせるためではなく一緒に暮らすためにある

うさぎにしつけは必要です。ただ、それは何でも飼い主の言う通りにさせるためのものではありません。

うさぎには、齧る、掘る、探すなどの自然な行動があります。だから、してほしくないことをただ叱るのではなく、まずは「なぜその行動をするのか」を考えてみることが大切です。そのうえで、うさぎを無理に我慢させるのではなく、人間側が環境や関わり方を整えていくことが必要になります。

・危険なものは人間が遠ざける
・齧ってほしくない物は齧れないようにする
・齧ったり掘ったりしたい気持ちは、安全な方法で満たせるようにする
・そして、できることは少しずつ伝えていく

その積み重ねが、うさぎと無理なく暮らしていくためのしつけにつながっていくのだと思います。

僕自身、カミとの暮らしを通して、強く叱ることよりも、うさぎのことを考えながら伝えることの大切さを感じるようになりました。それでも、カミがすべて言うことを聞くわけではありません。でも、それでいいのだと思います。

うさぎを完全に人間の思い通りにするのではなく、お互いに少しずつ譲りながら暮らしていく。その積み重ねの中で、少しずつ関係ができていく。

それもまた、うさぎと暮らす楽しさのひとつなのだと思います。