うちのカミは時々怒る。
それも結構本気で怒る。
まずは見てほしい!
最初に耳である。
普通の耳ではない。
もはや電波を受信するアンテナのようにピンと立っている。
たぶん今のカミなら遠くの宇宙人とも交信できる。
それくらい耳が立っている。
そして顔。
明らかに機嫌が悪い。
何かに怒っている。
納得がいっていない。
世界に対して文句がある顔だ。
最初は私も心配した。
何か嫌なことがあったのだろうか。
驚くことがあったのだろうか。
ストレスだろうか。
しかし原因はすぐに分かった。
ペレットである。
正確に言うと、ペレットが無くなったことである。
そしてさらに正確に言うと、ペレットを無くした犯人はカミ本人である。
全部食べた。
誰よりも早く。
誰よりも綺麗に。
完璧に完食した。
なのに。
食べ終わったあと、急に怒り始めた。
ペレット皿を確認。
ない。
もう一度確認。
ない。
角度を変えて確認。
やっぱりない。
そしてだんだん顔が険しくなる。
たぶん頭の中では、こう考えている。
「少なくないか?」
いや。
少なくない。
「誰か食べた?」
食べてない。
「おかしい」
おかしくない。
全部お前が食べた。
人間でも似たことがある。
ポテトチップスを一袋食べる。
気づく。
もう無い。
「少なくない?」
いや、
全部食べたからである。
でも人間も意外と認めない。
「昔の方が量多かった気がする」
とか言い出す。
カミも同じだ。
食べるスピードは世界記録レベルなのに、無くなると納得がいかない。
しかも面白いのは、怒りながら考えていることである。
耳はアンテナ。
顔は真剣。
目はペレット皿。
まるで名探偵だ。
犯人を探している。
そして犯人は百パーセント自分である。
それでも最後まで疑わない。
私はそんなカミを見ながら思う。
うさぎは意外と人間に似ている。
問題が起きる。
原因を探す。
考える。
悩む。
怒る。
そして時々、犯人が自分だという可能性だけ綺麗に見落とす。
その姿がなんだかおかしくて、今日も私は笑ってしまうのである。