その姿勢でやる必要ある?寝ながら毛づくろいするうさぎを発見した
うさぎはとてもきれい好きな動物です。毎日何度も毛づくろいをし、食後や遊んだあとにも、ひと息つくように毛づくろいを始めます。
だから毛づくろいをしている姿そのものは珍しくありません。
でも、この日のカミは少し違いました。
最初は寝ているなと思ったのです。
だって姿勢が完全に寝る姿勢だったからです。
やる気がない。
緊張感もない。
休日の午後、エアコンの効いた部屋で「あと5分だけ」と言いながら一時間経過した人間みたいな姿勢でした。
ところがよく見ると違います。
口が動いているのです。
もぐ。
もぐ。
もぐ。
何をしているのかと思ったら、寝ながら毛づくろいしていました。
いや、正確には毛づくろいしながら寝ていたのかもしれません。
どちらにしても驚きです。
普通なら一度起き上がります。
そして身だしなみを整えます。
終わったらまた寝ます。
それが一般的な流れだと思うのですが、カミはその工程を丸ごと省略していました。
ペロ。
ペロ。
ペロ。
起きる気配はありません。
でも毛づくろいは続いています。
私はこの姿を見ながら思いました。
もしかするとカミは効率化の天才なのではないかと。
人間は効率化のために本を読む。
仕事術を学ぶ。
時短テクニックを調べる。
どうすれば無駄な時間を減らせるのかを真面目に考えながら生きている。
ところがカミは違う。
仕事術の本なんて読んだこともない。
セミナーにも行っていない。
YouTubeで「人生が変わる時短術」を見たこともない。
ましては、「できるうさぎの習慣7選」みたいな本など絶対に読まない。
それなのに、
起きる。
毛づくろいする。
寝る。
という三工程を、
寝る。
毛づくろいする。
寝る。
の二工程に短縮していた。
なんなら最初から最後までほとんど同じ姿勢です。
ここまで徹底した効率化はなかなか見たことがありません。
もちろん、人間社会でこれをやったら問題です。
会議中に寝ながら仕事をする。
歯磨きをしながら寝る。
接客しながら寝る。
おそらく怒られます。
でもカミは怒られません。
締め切りもありません。
上司もいません。
売上目標もありません。
だからこそ堂々と寝ながら毛づくろいできるのです。
少し羨ましい気もします。
それにしても、見れば見るほど不思議です。
毛づくろいという行動は、うさぎにとって大切な習慣です。
体を清潔に保つためでもありますし、リラックスしている時にもよく見られます。
だから本来なら、もう少し真面目にやってもよさそうなものです。
ところがカミは、
「別に起きるほどでもないな」
と思ったのでしょう。
面倒くささと快適さを天秤にかけた結果、寝ながら続行という結論にたどり着いたように見えます。
私は時々思います。
人間は必要以上に頑張りすぎるのではないかと。
少し効率を求めてみたり。
少し楽をしてみたり。
そんな考え方もあっていいのかもしれません。
もちろん仕事中に寝てはいけませんが。
ただ、カミを見ていると、
「そこまで急がなくてもいいんじゃない?」
と言われているような気がするのです。
その日もカミは、起きるのが面倒だったのか、それとも効率化を極めたかったのか、最後まで寝転がったまま毛づくろいを続けていました。
真相は本人しか分かりません。
でも一つだけ確かなことがあります。
少なくとも私よりは、楽をする才能に恵まれているってことです。
そして、その才能を見習いたいような、見習ってはいけないような気がするのです。