うちのうさぎのカミは、ときどき不思議な寝方をする。
ある日も、ふと見るとこんな格好で寝ていた。
最初に思った。
「苦しくないのか?」
である。
足が浮いている。
しかも結構開いている。
なんというか、ガニ股で踏ん張ったまま止まっているような姿勢だ。
人間ならまず選ばない。
というより、この状態で寝ようと思う人はいない。
普通はもっと楽な姿勢になる。
ところがカミは違う。
完全に寝ている。
しかも気持ち良さそうに。
見ているこっちだけが心配になっている。
もしかすると、これはうさぎ流の筋トレなのだろうか。
インナーマッスル強化。
体幹トレーニング。
寝ながら下半身強化。
そんな最新フィットネスかもしれない。
気になったので、試しに僕も同じ格好をしてみた。
結果から言う。
無理だった。
内ももがつらい。
足を浮かせるだけで地味につらい。
しかも寝るどころではない。
数十秒で終了した。
カミみたいに平然とはできなかった。
改めて写真を見る。
やっぱり変だ。
どう見ても楽そうに見えない。
それなのに本人は爆睡している。
もしかすると、うさぎの足は人間が思っている以上に強いのかもしれない。
よく考えれば当然である。
うさぎは毎日ジャンプする。
走る。
急停止する。
あの大きな後ろ足で体を支えている。
見た目はふわふわしているが、実はかなりのアスリートだ。
ただし。
この写真を見る限り、そのアスリート感はあまり伝わらない。
むしろ休日のおじさん感の方が強い。
可愛い。
でもちょっとダサい。
ダサいけど可愛い。
可愛いけどダサい。
そんな絶妙な姿である。
結局のところ、この寝方にどんな意味があるのかは分からない。
ただ一つだけ確かなのは、僕が心配している間も、カミは気持ち良さそうに眠っていたということだ。
たぶん本人にガニ股寝について聞いたら、
「素人には分からない世界です」
と真顔で言われる気がする。